長野県栄村に移住して4年目。自給自足の農業をしながら、自然によりそって暮らす生活をつづります。 体験プログラム「ワンライフジャパン」もやってます。


by lalalar
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田舎暮らしで大変なこと

「田舎で暮らして、一番大変なことはなんですか?」

よくこんな質問を受けます。

最近は田舎暮らしをしている人たちのブログやホームページも
たくさんあるので、Iターンする前に私もいろいろな人の声を読みました。

プライバシーがない、近所づきあいが煩わしい、
仕事が選べない(雇用機会が限られる)、
電車やバスの本数が少なくて不便、
買い物の選択肢が限られる 等々

いろいろと家庭の外側の”課題”が語られています。



私たちの場合はというと、家庭の外側の問題は全くなし。

これまで近所づきあいが全くなかった都会暮らしに比べると
近所の人たちがお互い見守って暮らす暮らしは本当に快適です。
仕事もいろいろな仕事を始めるチャンスがあり、
好きなことを仕事にすることができました。
電車やバスも本数は少ないですが、大自然の中を歩いたり
自転車にのるのは最高に気持ちいいですし、ヒッチハイクもできちゃいます。
買い物はインターネットが発達しているので特に不自由を感じることはありません。


田舎にはこういう“課題”といわれるものをはるかに凌駕する
た~~~くさんの素晴らしいメリットがあります。
だから田舎暮らしは楽しいのです。


でも、私たちにも課題はあります。
むしろ今まで気がつかなかったくらい大きな課題です。
それは家庭の内側のこと。

夫婦の関係の在り方です。

東京で暮らしていた時は、夫婦がそれぞれ違う職業を持っていて、
一緒に過ごす時間は平日夜、週末、休暇と限られていました。
人付き合いも、共通の仲間のほかに、自分の仲間、相手の仲間があって、
いわば「自分の世界」と「相手の世界」がそれぞれに存在していました。

でもいまの私たちには「私たちの世界」しかありません。
朝起きてから夜寝るまで、仕事をしている時も余暇の時も
食事の時も眠っている時も、ずっとずっとずーーーーーっと
伴侶と一緒なのです。

昔なら夫に愚痴をこぼすこともできたけれど、今は違います。
全てにおいて夫が当事者なのですから。

24時間365日の重みは、経験して初めて理解できるものです。
移住を決めてからの一年半の間、本当にたくさん喧嘩しました。
喧嘩しなかった日はないくらいです。
本当につらくて、沢山泣いたし、家を飛び出したときもありました。
でも帰るところはこの家しかないのです。
近くに24時間営業のファミレスもなく、カフェもない。
誰にも知られずに一人で時間を過ごせる場所はほとんどありません。
(もちろん車を1時間も飛ばせばありますが)
相手、問題に向き合わざるをえないのです。

それはそれは苦しい過程です。
向き合わずに済めばどんなによいか―――何度もそう思いました。

でもあきらめずに向き合い続けたのは、
突き詰めれば「愛」があったからだと思います。
相手のことが好きだから、相手のことが大切だから、
いっしょにいるのが楽しいから、ずっと一緒に生きていきたいから、
逃げずに向き合ってきたのだと思います。


苦しい過程を乗り越えるなかで、大きな変化がありました。
それは相手のことがより理解できたことです。

結婚までに8年付き合い、結婚してから2年たちますが、
今更ながら「こういう人だったんだ」と相手を再発見したという感じです。
都会で暮らしているときは、それぞれの生活に忙しく、
じっくり人と向き合うだけの時間的余裕もありませんし、
一緒に過ごすときも本当の自分を全てさらけだす必要もありませんでした。
そこまで究極の状況に置かれることがないからです。

でも、仕事も私生活も全てが共同となり、
人間関係もすべて家族ぐるみの関係となるとき、
思いもしなかったいろいろな側面が見えてきます。

それを否定するか。受け入れるか。

否定するのも大変だし、受け入れるのも大変。
自分も変わらなければいけないし、相手も変わらなければならない。

でも一人の人を深く理解し、相手を受け入れ、相手に受け入れられ、
深く愛し、愛されることは至極の喜びなのではないかと思います。

私たちの目の前には、はるか長い道のりが待ち受けていますが
これからも喧嘩をしながら少しずつ究極の喜びに向かって
進んでいけたらという思いに至り、すこし気持が楽になりました。
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by lalalar | 2009-01-16 08:23 | 田舎暮らし